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お墓を建てると幸せになる?シリーズ」カテゴリーアーカイブ

・お墓を建てると幸せになる? その6 お墓参りに来てくれる人を想像しての建墓は満足度大です

お墓を建てると幸せになる? その6 お墓参りに来てくれる人を想像しての建墓は満足度大です

前回「・お墓を建てると幸せになる? その5 家族の絆が深まり、互いに思いやれるようになります」に続いての第六回目です。

 

近年、著名人のお墓をお参りすることを生きがいにしている「墓マイラー」という方々が増えています。墓マイラーの方々の中にも、どのお墓をお参りするのかということで、何種類かに分類されるのではないでしょうか。たとえば、自分の好きな偉人のお墓を巡るという人もいるでしょう。「暦女」という言葉もあるように、若い世代に広がる歴史ファンの人たちの中には、歴史上の人物のお墓を回る人たちもいると思います。また、文豪や俳人、文化人のお墓をテーマにまわっているという人もいるでしょうし、テーマは設けずともたとえば多磨霊園に来たので多磨霊園に眠る著名人のお墓をめぐってみる、という人もいるかと思います。江戸時代から続いている谷中墓地(霊園)や青山墓地(霊園)をはじめ大きな都営霊園や、京都などの歴史ある都市の歴史ある寺院、由緒正しい寺院などではたくさんの著名人が眠っています。

そんな、著名人のお墓をめぐることが今ちょっとしたブームなのです。

そして前述しましたように、お墓参りのテーマも、お墓参りする人によってまちまち。人それぞれです。墓地によっては、丁寧な案内図や説明の案内板を掲出しているというところも少なくありません。また、そもそも昔の事柄というのは人の記憶から消えていってしまいがちなもの。なので、「どういった人が眠っているお墓なのか」ということを詳しく説明してくれている案内板もあったりします。そういった案内板があると、その人物と事績を知らないという人でも、その墓地で案内板を見ることで「初めて知る」という場合も多いでしょう。人は興味のない説明版などは目に入ってきません。何回か足を運んでいるという観光地でも、以前は気にもしていなかった案内板の説明書きを、時間がたって改めて見てみると、以前は気にもしていなかった事柄が目に入ってきて「ああ、以前はどうしてこんな興味深いことに気が付いていなかったのだろう」というような場合もあります。墓地の案内板の説明書きも同様のことが言えると思います。

ただ、一つ言えることは、人間の知的興味と、時間と共に消えて忘れていってしまうという「何を成したのか」という事績の記憶に対して、長い年月を経ても変わることのないものがあります。

「お墓というモニュメント」は、どんなに時間がたっても変わることなくそこにあり続けてくれる存在です。

よくある話なのですが、たとえば長い間歴史ファンの中でも地味でマイナーな存在であった人物がいたとして、何かの小説や映画、ドラマや漫画やアニメでも結構です。何かに題材として取り上げられることで、ほとんどお墓参りに来る人もいなかったようなお墓に、お墓参りの方々が次々に訪ねてくるようになった。という例は時々目にし耳にします。日本はやっぱりお墓の文化が根付いているようで、そういった過去の偉人に触れる場としても行為としても「お墓参り」という手段を選ぶ人は少なからずいます。そうしてやっとたどり着いたお墓を前に「やっとお墓参りをしに来れました」「お墓を大切に残してくれていてありがとう」という気持ちを抱く人も少なくないのでは?中にはまるでお墓の中の人が生きているかのように、「やっと会いに来れました」と心の中で会話をする、という人もいるでしょう。

お墓参りは、ご先祖様に対してのみつかわれる言葉ではないのです。

大切なことは「お墓を残してくれていてありがとう」と感じてくれる後の世の人々がいるということ。

昨今では、著名人の方々も生前にお墓を準備しているというケースも少なくありません。昨年で言えば、島倉千代子さんや、やなせたかしさんは生前からお墓を準備していたと有名でニュースなどの報道にも出ていました。そういった著名人のお墓にはファンの皆さんが足を運んでいることでしょう。

振り返って、我々個人個人のお墓で考えてみましょう。私たち生活者は著名人ではありません。もちろん歴史上での大きな事績を残してもいません。文豪でも俳人でもありません。それでも、お墓を作っておくと少なくとも家族はお墓参りをしてくれます。そして想像しにくいかもしれませんが、自分亡きあとにどういった人が自分のお墓に訪ねてきてくれるのか。友人知人や会社の同僚、昔の同級生などはお墓参りに来てくれるかもしれません。しかしそれ以外のいったいだれがお墓参りに来てくれるのか?これは未知数ですし、はかり知ることはできません。

が、人間の墓参したい気持ちというものは当人には計り知れないものがあるのも事実です。自分があまり意識をしていなくとも、全く知り合いでもない人が墓参にくる可能性だって否めないのです。学校で先生をしていたという方や、特殊な論文を書いた過去があるが後の世になってその論文が脚光をあびることもあるでしょう。議員経験があったり、地域の世話人をしていたり、スポーツチームに属していた過去があったり、何か仕事上で特許をとったりしたような人もいるでしょう。いつどこで自分がなした行為に対して、まったく別の方がその事績に敬意を表して墓参するのかはわからないものです。

「ひょっとしたらそういった墓参をする人いるかもしれないな」という方、いらっしゃいませんか?

もちろんお墓は自分のためのものであり、家族のためのものでもあります。しかし、「大切に残してくれていてありがとう」と感じる後世の人たちがいるのも事実です。お墓は、お墓参りしてくれた方に対しての道標ともなりますし、記念碑でもありますし、語りかける対象にもなりえるのです。そして、とても長い年月の間朽ちることなく残すことができる施設でもあります。

死後に有名となった著名人はたくさんいるんです。

自分亡きあとに墓参に来てくれる人がたくさんいるかもしれない。そんなことを考えながらお墓づくりをしてみてもいいのではないでしょうか。もしかしたらの話なので、ひょっとすると自己満足の妄想に終わるかもしれません。それでもいいのではないでしょうか。自分のお墓なのですから。十分に満足するお墓づくりをしてもいいと思うのです。島倉千代子さんのお墓も、やなせたかしさんのお墓も、とてもすばらしいお墓です。後々お墓参りに来た人たちも「おお~さすが!」と感じ入るようなお墓になっていると感じました。そんなお墓づくりをしてみてもいいのではないでしょうか。

 

お墓を建てると幸せになります。お墓参りに来てくれる人を想像しながら記念碑として十分に満足のいくお墓づくりをすることができるからです

 

と、考えますがみなさんはいかがでしょうか?

もちろん、家族親族のことを一番に考えたお墓を作っても十分に満足は得られますよ!

 

 

・お墓を建てると幸せになる? その5 家族の絆が深まり、互いに思いやれるようになります

お墓を建てると幸せになる? その5 家族の絆が深まり、互いに思いやれるようになります

前回「・お墓を建てると幸せになる? その4 納得のお墓作りで「お墓」が大好きな場所に」に続いての第五回目です。

 

いよいよ梅雨も明け、暦でいうと一昨日は大暑。昨日7/24は今年一番の暑さを迎えたそうです。夏と言えば夏休み。お盆の帰省があります。子供達が実家から離れているという家や、両親と離れて生活しているという家にとっては、年に何回もない親族が顔をあわせるタイミングがお盆やお正月、ゴールデンウィークかと思います。また、子供たちにとっても一年で一番うれしい夏休み。家族で一緒にいられる大切な時間です。おじいちゃんおばあちゃんに会える貴重な夏休みだ、という子供達も少なくないのでは。

夏休みの時間は、ご家族、ご親族との貴重な時間です

お墓をつくるという行為は、どなたかが亡くなられたタイミングだけではありません。元気に暮らしている今のうちから自分たちのための「終の住処(ついのすみか)」をじっくりと時間をかけて検討しているという方も近年珍しくはありません。むしろ年々増えてきています。こういった生前にお墓を作ることを生前建墓といい、寿陵ともいいます。古来より縁起の良い行いとも言われてきました。

また、震災以降、災害に備えて昔ながらのお墓のリフォームを検討される方も増えました。軟らかい地面に立つがゆえに傾いてきてしまっているお墓や、長い年月をかけて風化し劣化してきたお墓をつくり直します。お墓を建ててから、数十年とたつと様々なものが表に現れてきます。傾きや風化のみならず、目地のゆるみや表面や文字の汚れ、さらには何事かによる石の欠けなどもあるでしょう。こういったリフォームは特に今年四月の増税前に多くの方がなされました。

お墓を作るためには、実に様々な相談事が発生します

とは言っても、一人で話を進めることは不可能ではありません。新しく作るという場合はの相談事・検討事項としては、まず①どの地域に作るのか、②どの石材店に依頼するのか、③どの墓地にするのか、④どのくらいの予算にするのか、⑤どの区画にするのか、⑥石の種類は、⑦デザインと彫刻は、⑧支払いは・・・などが考えられます。リフォームやお墓の引越しという場合も上記と似たような流れになりますが、最初の段階にて墓地の管理者(お寺なら住職)との相談があるでしょう。以上の事柄を一人で進めることは可能ではありますが、やはり身内で相談しながら話を進めることが安心ですし、心強くもありますし、先々のためにもお勧めです。

お墓を作る際に検討する事柄というのは、「お墓は誰のもの?」という答えに直結しています。お墓は誰のものでしょう。人それぞれ、各家庭それぞれかもしれませんが、共通して言えそうなのは、眠っている人のためのものでもあり、残されて生きていく人たち(と子や孫など子孫たち)のためのものでもある、ということです。近年の多くの方のお墓を建てる際の特徴としては、やはり「交通の便の良い墓地」を選ばれる方が多くなってきています。駅から歩いて行ける場所や、駅から離れていてもバスの運行がしっかりとしていたり、高速道路や主要な道路から近かったり等、また、お参りされる方が足腰があまり強健でない方のためにバリアフリー対策のとられている墓地を選ばれるという方も大変多くなっています。さらに、バリアフリー対策のある墓地の中には、乳幼児のための設備(おむつ台など)や、車いすの方のためのスロープ、つかまり歩きできるように手すりを巡らせている墓地もあります。墓地の中にベンチや日よけを作って少し休憩のできるところもありますし、管理事務所で空調の聞いた場所で一休みできるという墓地もあります。車での墓参のために駐車場をたくさん用意している墓地も安心でしょう。こういった点はみなお参りされる方のためにあります。それぞれの墓地ごとに様々な特徴がありますので、現地に直接行って確認をしてみることはとても大切なことです。

お墓は誰のもの?眠っている人と、お参りしてくれる人両方のもの

お参りをしてくれる人の多くの場合は、やはり家族になります。お墓の後継者、承継者や家族親族のみならず、知人友人の方々もお参りしてくれると思いますが、春と秋のお彼岸、お盆、お正月、命日と、一年の中でもお参りをするタイミングはたくさん出てきます。お参りをする家族、将来の承継者のためにもお参りしやすい墓地はどこかな?と一緒に相談することはとても大切なことではないでしょうか。一人では気が付かない点も、家族で相談することで気が付くということもあります。

お参りをしてくれる人=家族です

お墓づくりには、ある程度まとまった予算が必要となります。では、予算を出す人がお墓を作る人といえるのでしょうか。これも様々なケースがありますが、多くの場合は予算を出す人=施主、中心となってお墓をつくる人、という場合が多いです。しかし、中には、ご家族ご兄弟で予算を分け合って都合したり、予算を出す人(親)が子供にお墓作りをよいようにすっかり任せていたり、またその逆もあったりと、ケースバイケースです。一番大切なことは、お墓を作るということを誰かと共有するということ。家族に内緒でお墓を作っていたお父さんが亡くなり、お墓の存在を知らない残されたご家族の方が別のお墓を建ててしまい、後から連絡が来たことではじめて二か所にお墓を作ってしまっていることに気が付いた、というケースもあるようです。内緒で作って家族をびっくりさせよう、お金の負担もさせずに済ませておこう、というお気持ちはわかるのですが、急な不幸が発生すると残された方々が困ってしまいます。一番いいのは相談しながらお墓作りをすることですが、そういった流れにならなかったとしても、エンディングノートを用意して書いておいたり、何か後からわかるものに記録して残された人に伝えるという手段をとっておいた方がいいでしょう。

お墓作りは情報共有が大切です

家族親族で相談しながらのお墓作り。「面倒だな」と感じられる方もいるかもしれません。しかしすべての事項をその都度相談する必要はないかもしれません。たとえば、墓地や霊園についていくつか候補を絞り、「AとBならどちらがいいと思う?」と聞いてみたり、「このデザインのお墓にしたいんだけど、石の色はAとBどちらがいいかなぁ?」など、ポイントを絞って聞いてみるというのも方法として考えられます。ひょっとしたらAでもBでもない答えが返ってくるかもしれませんが、そこではじめてじっくりとあわてないで話し合ってみてもいいかもしれません。意見の合わない場合もあるかもしれません。しかし、よその家の人ではありません。家族だからこそ言えることもあるでしょうし、親族だからこそ口に出せるようなこともあるのではないでしょうか。そして、逆に家族だからこそ、親族だからこそ、思いやれること、配慮できること、理解しあえることもある。そして、相談を進めることで、互いの理解が深まっていくことも多いのではないでしょうか。お墓作りを通して普段なかなか言えないでいることも話すようなシーンも出てくるかもしれません。普段こんな風に考えていたのか、こんな心配があったのか、など。お墓作りは家の大事業。家族の大きな仕事です。

普段なかなかかしこまって話すことの少ない、お墓を誰が継いでいくのかから、家族の将来設計についてなど、さまざまな背景とあわせて相談が進むことと思います。そして、話し合うことで、より家族の絆と理解が深まり、知らないことで不安であったことも軽くなるということも出てくると思います。そうしていろいろな話と相談をしあって完成したお墓は、まさに「家族みんなのお墓」「親族みんなのお墓」と気持ちよく感じることができるようになるのではないでしょうか。

よく相談して完成したお墓は「みんなのお墓」たりえます

夏休みです。普段なかなかできない家族の時間。お墓作りも普段なかなかできない家族親族同士で理解を深め合う切っ掛けになるかもしれません。

 

お墓を建てると幸せになります!普段なかなか話せないようなこともあわせて相談しあえ、家族、親族の絆が深まり、互いに思いやれるようになるからです。

 

と、考えますがみなさんはいかがでしょうか?

是非お墓づくり、お墓のリフォーム、お墓の引越しの際には、家族親族にてじっくりとご相談してみてはいかがでしょう。よりよいお墓づくりになるのではないでしようか。

・お墓を建てると幸せになる? その4 納得のお墓作りで「お墓」が大好きな場所に

お墓を建てると幸せになる? その4 納得のデザインで「お墓」が大好きな場所に

前回「・お墓を建てると幸せになる? その3 家族・自分・故人の「シンボル」になります。」に続いての第四回目です。

 

七月のお盆時期が過ぎました。八月にお盆を迎えるという方もいると思いますが、みなさんはどのようにお盆を過ごしますか?お盆にお墓に行くという方と、お墓にはいかないけれど精霊棚に手を合わせるという方に分かれるのではないでしょうか。

何もしたことがないなぁ、という方がいましたら、心の中でご先祖様や故人の方を偲んで語りかけてみてはいかがでしょう。

さて今回は、お墓作りについての文章になります。

 

お墓は基本的にはオーダーメイドで作るものです。

お墓に使われる石材は、工場のベルトコンベアで次々に作り出されるような、大量生産される品物ではありません。原石は石切り場や採石場と呼ばれる丁場から切り出されてくるのですが、巨大な石を切り出してきても、そこには斜めに入っている石の目があったり、墓石として使用できないような箇所があったりします。そういった場所をよけて墓石で使用する石材を切り出すと、以外にもほんの少ししか使える部分は残りません。石材によって高い金額のものや廉価な金額のものもありますが、基本的にこの「ほんの少ししか使える部分はない」ことはどの産地の石種も同じくいえることです。そう考えますと、本来墓石に使用している石材は希少性の高い石だと言えます。(その中でも特に希少性の高い石材が庵治石などになります)と、このような点からも大量生産には適していない=それぞれがオーダーメイド、世界に一つだけの墓石、となる理由ともなっています。

オーダーメイドと言いますと、たとえばスーツや靴、カバン、洋装や和装、家具、そして住宅などが思いつきますが、いずれも廉価なアイテムと対になって考えられることが多いかと思うのですが、墓石について言いますと、墓石はオーダーメイドが主流。世界に一つだけの墓石というのが主流です。

 

オーダーメイドなんて経験したことない、という方も「お墓作り」ではオーダーメイドを経験することができます。

墓地を眺めて歩いてみると、「同じような石が並んでいるなぁ」と感じられることもあるかもしれません。その理由の一つには、和型墓石といわれている三段墓には、不文律のような「定型」が伝統とともにあります。

根石仕上げの例2

昔ながらの三段墓のタイプにしようとすると、伝統的な形式のお墓となります。伝統を意識しますと、周囲の墓地との調和というものもありますし、あまり奇抜なデザインにはしない、という方も少なからずいらっしゃいます。また、中には昔からなじんでいるお墓のカタチだからやっぱり和型がいい、という方もいるでしょう。結果的に従来型の定型のデザインである和型墓石のカタチを選択される方は多くいらっしゃいます。

洋型墓石には「和型墓石」のような「定型」のような伝統的なデザインはありません。ありませんが、各霊園ごとに「標準型のデザイン」というものを用意している場合も多いです。

芝生墓地 ゆとり墓地(さきたま霊園 みどり1.8㎡)

民間霊園の場合は、霊園ごとに設定されている「標準型」というのが一番廉価にお墓を作ることができるデザインになり、 一番廉価ということもあって、標準型を選択される方は少なくありません。標準型が並んでいると、どうしても「同じような墓石がならんでいるなぁ」と感じられてしまいます。

では、本当に和型墓石も洋型墓石も同じようなデザインの墓石ばかりなのでしょうか?

 

オーダーメイドのお墓は、石種を自由に選べます。

見本石一覧

墓石に使用する石材の種類は実に様々です。白御影石と黒御影石の違いだけではありません。茶色のものやグレーのもの、赤みがかったものや青や緑のものなど。また色味の違いのほか、産地や特質、目の細かさや粗さ、独特の風合いの違いなど、まさに千差万別です。似たようなカタチの墓石でも使用する石材が違うと、ものすごくパッと見の印象に違いが出てきます。材料を自身で選ぶということも、オーダーメイドならではのことになると思います。「赤色が好きだったから、赤い石でお墓をつくりました」という方や、「落ち着いて感じられたから青みがかった黒い石にしました」という方、「やわらかい印象が気に入ったので、淡いピンクの石で作りました」という方など、それぞれ考えられて選ぶ方も多々いらっしゃいます。

 

オーダーメイドだからこそできる自由なカタチの墓石

先ほど、和型墓石には「定型」のような伝統的なカタチがあると書きましたが、近年はさらに進化してきており、伝統的なカタチでありながらもモダンで、現代風にアレンジされたデザインの和型墓石も増えてきています。

和型墓石5 和型墓石6

↑こちらはそんなデザインのなされた墓石なのですが、こういったカタチに限らず、自分の個性を発揮してもかまわないのがお墓作りの世界です。

洋型墓石や、デザイン墓石というタイプのお墓になってくると、その自由度はより高くなってきます。美しい円形やカーブを描く墓石や、自分の好きなディティールのデザインを選ぶなどのほか、思い入れのあるカタチをじっくりと検討される方も少なくありません。

デザイン墓 デザイン墓

↑こういったオリジナルデザイン墓には、やはり個性をより感じさせやすくするためにも石の種類にもこだわる方が多いようです。右の写真のお客様は、音楽、ピアノを愛されていたというお客様のお墓です。グランドピアノと譜面をイメージしたデザインのお墓にされました。そのほか、好きだった乗り物や、趣味にしていた事柄、サッカーボールや野球の道具などをデザインされる方もいらっしゃいます。ただし、和型にしても洋型にしてもオリジナルデザインのお墓にしても、墓地によっては『墓石高さやカタチに制限がある』場合も多いです。多くの場合は周囲の景観についてのことなどから制限がなされる場合が多いのですが、材料が石であるため、また石を加工するのが人の手によるため、どうしても「ものすごく細くこまかいデザイン」や「とがったデザイン」等加工するのがとても難しいという場合もあるので、石材店と相談しながらデザインを考える必要もあります。

(参考記事 ・和型墓石 ・お墓のデザイン ・正しいお墓の買い方 [その6] 9.墓石の形 ・正しいお墓の買い方 [その10] ニューデザイン墓石 )

 

文字彫刻やイラスト彫刻で、人生を表現する

お墓の構造お墓は、石材の種類やお墓のカタチのほか、「何を彫刻するのか?」という点でも自由に個性を表現することができます。和型墓石を選ぶ場合には、なかなかメインの石塔である竿石に自由に個性を表現する、のはやりにくい場合が多いです。しかし、そんな場合でも、花立てや外柵、墓所の入り口にあたる両サイドの親柱に個性を表現する彫刻をされる方もいらしっゃいます。竿石には宗派ごとの梵字や宗派ごとの文字「南無大師遍照金剛」や「南無阿弥陀仏」、「南無妙法蓮華経」などを入れたり、「○○家先祖代々之墓」などを入れている場合が多いのですが、好きだった花や好きだった言葉、イラストなどをさりげなく花立てや外柵、親柱に入れるケースも時々あります。周りと調和しながら、伝統的なカタチでありながらも自分自身、亡き人の人生を彫刻として表現することは可能なのです。

洋型墓石やデザイン墓石の場合は、和型墓石のほどの制約はなくなり、より自由度が高くなります。メインの石塔にもイラストや好きな文字など自由に彫刻する方はとても多いです。音楽が大好きだった方は譜面を彫刻したり、故郷の山の姿や、大事にしていた家族の犬や猫、お墓参りされる方へのメッセージを書いてみたり、好きな言葉を好きな書体でデザインしてみたり・・・本当に人それぞれで、一つ一つのお墓にそれぞれの物語と思い入れを込めて作られています。

(参考記事・正しいお墓の買い方 [その7] 墓石の大きさ 墓石に刻む文字 ・お墓に刻む文字① ・お墓に刻む文字② 五輪塔 )

 

しっかりと納得のいくお墓作りをするのには、どうしても時間がかかるものです

上記のように、墓石に使用する石材や、お墓のカタチをどうデザインしようか、そして彫刻する文字やイラストはどのようなものにしよう・・・これらは急いで決めることもできますが、そうしますと標準型の石種とカタチで、彫刻も必要最低限の竿石へ家名を彫刻したりなどにとどめる程度となってしまい、十分な個性を表現することは難しくなります。冒頭に申しあげたとおり「同じような墓石が並んでいる・・・」うちの一つになってしまいます。急ぐ必要のない方は、可能であればお墓作りには「時間がかかる」と認識された方がいいかもしれません。それぞれを検討するのにはどうしても「考える」という時間が必要になるからです。どういった条件の土地なのか、霊園なのか、石種はどういったものがいいか、カタチはどのようなものがよいか、彫刻は・・・というように、お墓作りには考えを進める「順番」というものがあります。さらに、「自分だけのお墓」であれば自分だけの納得でもよいのですが、なかなか「自分だけのお墓」というのは少ないものです。家族や親族、大切な人にとっても大事な場所になる「お墓」です。十分に納得のいくお墓にするには、周りの人にも納得され、また賛成されてこそではないでしょうか。納得、賛成してもらえてはじめて「自分の本当の納得できるお墓」になるように思います。時間を要しそうな気がしませんか?十分に時間をかけて納得のいくお墓を検討してください。

自分のみならず、関係する人が皆納得し、祝福されるお墓作りというのは、まさに「寿陵」という言葉がぴったりの施設になります(寿陵とは、生前に用意するお墓のこと。縁起の良いお墓作りと言われています。 参考記事 ・寿陵のすすめその1 ・寿陵のすすめその2 ・寿陵のすすめその3 )。

 

皆が納得し賛成し、完成に際して祝福されるようなお墓は、「好きな場所」となりえるのではないでしょうか?

「お墓に行ってみよう!」と家族から声があがる場所というのはとても素晴らしく素敵で、うらやましい場所と言えますね。家族親族がお墓に行くことで、お墓での思い出や記憶も積み重なっていきます。思い出の積み重なった場所は、自然と「大切な場所」になりますし、そこにいつか眠る日が来たとしても「大切な場所」という意味が深まることはあれど、変わることはありません。いつか「お墓に行ってみよう!」が「お墓参りしにいこう!」「故人に会いに行こう!」に変わると考えられます。

是非、一生に一度の大きな事業として「お墓作り」を“じっくり”としてみませんか?

 

お墓を建てると幸せになります!自分だけでなく家族親族の納得のいくお墓ができると、自然と大好きな場所、大切な場所になるからです。

 

と、考えますがみなさんはいかがでしょうか?

墓地を眺めて歩いてみると、パッと見「同じような石が並んでいるなぁ」と感じるかもしれませんが、じっくりとお墓作りした経験のある方が見てみると、石の種類の違いや、彫刻の違いなどに目が行き、「それぞれのお墓にもいろんな物語があるのだろうなぁ」という印象にかわるのかもしれませんね。

 

・お墓を建てると幸せになる? その3 家族・自分・故人の「シンボル」になります

お墓を建てると幸せになる? その3 家族・自分・故人の「シンボル」になります

前回「・お墓を建てると幸せになる? その2 心のもやもやを整理整頓できます。」に続いての第三回目です。

 

皆さんは、大河ドラマは見ていますでしょうか?現在放映している「軍師官兵衛」、視聴率はここ近年の大河ドラマ同様に奮ってはいないようなのですが、録画率といいますか、リアルタイムでは見ていないけれど録画して楽しむようにしている、という方はとっても多いようです。なので結果的にといいますか、だから故といいますか、大河ドラマファンの中ではとても評判のよい作品になっています。地デジで録画機能のあるデコーダーが普及して現代の日本で「視聴率」の数値的な信頼性はどうなのだろうか?(あまり意味はない?)・・・ということを先日の全優石セミナーで大河ドラマ税理士の山本先生に教わりました。と、視聴率の話はともかくとして、毎週楽しみにしており録画もばっちりして見させてもらってます。

そんな黒田官兵衛、過日の放送で、黒田家の家紋を新しく作り、家臣団に発表するというシーンがありました。旗に記された印は「藤巴」の紋。大河ドラマでのエピソードは次の通り。

信長麾下の有力武将で、官兵衛とも旧知の仲である荒木村重。信長の本願寺攻めの最中に荒木村重は、自身の拠点である有岡城に籠り毛利方に寝返ってしまいます。謀反です。明智光秀、羽柴秀吉による説得にも応じない村重。旧知の仲である官兵衛も説得に向かいました。ところが、村重は官兵衛にも「共に」と謀反を誘いますが、官兵衛は謀反に応じません。同心しない官兵衛を村重は有岡城の土牢に幽閉してしまいます。

その後、約一年にわたって村重は籠城。その間官兵衛は幽閉されたままです。土牢は劣悪な環境で、足を延ばすこともできず、常に湿り気もあり、毒虫もいるという状況でした。失いかけた気力の中、生死の境の官兵衛を励まし続けたのは、岩の間からほんの少しだけ見える外の様子と、少しずつ成長していく藤でした。徐々に成長していく藤はいつの日か花開きます。そんな藤をながめて心の支えとしました。

いつもでも帰ってこない官兵衛を、信長は「謀反の心あきらか」と断じ、官兵衛の唯一の息子で人質となっていた松寿丸(のちの黒田長政)の斬首を命じますが、竹中半兵衛の気転により松寿丸は隠されて生き永らえます。そしてついに織田勢により有岡城は落城となり、はじめて官兵衛が幽閉されていたことが判明。官兵衛は片足をひきずらないと歩けない状態でその後の半生を過ごすこととなってしまいました。生還後、この度の一連の経験により、「命を大切にする黒田家」とする、という意味で藤の花を家紋に定めました。

・・・そんなエピソードになっていました。(が、実際には官兵衛の旧主である小寺家の家紋が藤橘巴。おそらく小寺姓を下賜された際に紋も下されたのではないでしょうか)

官兵衛は、黒田家の家訓ともいえるような意味合いを込めて、藤の家紋を定めました。大きな辛い経験があればこその「シンボル」です。劇中では、家臣一同も当然納得の様子で、まさに「黒田と言えば藤の紋だ」と黒田家全体のシンボルになった瞬間でした。

ところが、現代のわれわれに置き換えてみると、「家紋」は確かにとても大切なシンボルではありますが「うちの家紋が何なのかわからない」という方や「なんとなく○○の紋だとはわかるが、正確には本家に確かめてみないと不安だ」という方も少なくありません。大切ではあるけれど、身近な「シンボル」だと言い切れる家も少なくなってきているようです。

今の時代では、官兵衛の時代の家紋に相当する「シンボル」は何になるのでしょう?

 

一つには「家」が挙げられるかもしれません。

「家」という字には日本ではいくつかの意味があります。一つは建物としての「イエ」。こちらは戸建ての住宅に限らず、集合住宅の一戸や、広めの土地のある場合は母屋や納屋、離れなども含めて指す場合もあります。またもう一つは「私の家族」という意味での「ウチ」。こちらは家族の場合だけではなく、親類縁者まで含める場合や、「私の所属するグループ」たとえば友人関係や学校や職場の仲間を指すような場合もあり「うちら」という言葉になるととても汎用性の高い言葉になります。

どのような集団でも、シンボルは必ずあると思います。ファミリーという意味での家族ならば、やはりわかりやすのは建物としての「家」。「住み慣れた我が家」という言葉や「夢のマイホーム」という言葉があらわすように、人の一生の中でもとても大きな、シンボリックな存在なのは確かです。「おうちへ帰ろう」の場合の「うち」も建物含めてファミリーのいる場所という意味なので、同じ使い方ですね。

ところが、建物としての家を永続させるのは、現代では少し困難な場合もあります。転勤などによる引越し、建物が古くなったり手狭になったりした場合には建て直したり。昔は住居の寿命はとても長いもので、現代にも残るような民家は何百年と生き続けていますが、残念ながら現代の住居の寿命は「何百年」というわけにはなかなかいきません。木造であっても、鉄筋コンクリートであっても同様でしょう。とても残念なことですが、建物としての家は、シンボルでありつづけるには限界があるのも事実です。

 

また一つには「家業」もシンボルと言えると思います。

子や孫に受け継がれる店や、会社、代々続く集落での役割なども家業と言えるでしょう。日本は世界的にも稀な、長寿企業の育つ国柄と風土があります。1000年続く家業は、もはや伝説のような企業しかありませんが、いわゆる「老舗」と呼ばれている店や企業、老舗とまではいかずとも、お祖父さんから受け継いだ店、お父さんから受け継いだ店、というものを継続されているという方は少なくありません。しかしながら、家業を継ぎ、継続させて次世代に渡すというのは並大抵のことではありません。生半可な気持ちではなかなか難しいものです。だからそこ受け継いできた方々にとっては「シンボル」と胸を張って言えるのではないでしょうか?

ただ、家業を維持することができている方々はほんの一握り。今現在は受け継ぐことができていても、それを次の世代に無事にトスすることができるのか・・・。今現在おおいに悩まれているという方もたくさんいらっしゃることと思います。

また、「家業は我が家のシンボルだ」と言えるのは、血のつながった人々とさらにその方々と婚姻関係にある方々に絞られます。オーナー一族とも言い換えられるでしょう。長年勤続されたという方がいたとしても、その方にとっては「家業」ではありません。勤め人の方にとっては、あくまで勤め先であって、自分の家のシンボルとするのは少し難しいものと思います。

 

故郷自体がシンボル。という考え方もあります。

ふるさとと言う言葉には、実に様々な思いと時間と思い出とを詰め込むことができます。ただし、故郷をシンボル的に感じることができる人々というのは時間的な制約があります。その土地で生活をした人でないと、その土地で生まれたりした人でないと、シンボルとして土地を指すことはできません。10年20年と経つうちに、次世代の子供たちが生まれた場合には「家族みんなのシンボル」という意味から少しずつずれが発生してきてしまいます。ただし、そこは家長なり年長者が「うちは昔あの故郷で苦労しながら家を守ってきたんだよ」と次世代に伝えていくことは可能かと思います。子供たちはきっとシンパシーをもってその土地を憧れることと思います。しかし、やはりどうしても時間の経過とともに意味合いが薄れて行ってしまうのは仕方のないことかもしれませんね。

 

そこで、家族のシンボルとして、「お墓」を位置づけるというのはいかがでしょう?

この記事を書いています、ブログ担当のTのお墓は、あまり古くはなく、建ててから40年弱しか経っていません。しかし、私のイメージとしては「お墓=親戚が集まる場所」のような印象を持っています。幼少期、親戚のおじさんやおばさん、また、従妹たちとピクニックのような気分で出かけた記憶があるからかと思います。幸いマイナスイメージはありません。お墓と言うと、幽霊やおばけ、怖い、じめじめしている、悪い気がある、縁起が悪いなど、どうしてもマイナスイメージを思い浮かべるという方もいますが、最近のお墓は、だいぶちがってきています。お墓を買う人も現代の日本人です。現代日本人が「こういうお墓ならほしいなぁ」というお墓が実際に増えてきています。明るい環境や足元の良さ、使い勝手の良さなど、日本人らしいカイゼンがなされている墓地も少なくなく、昔ながらの寺院墓地であっても明るい雰囲気の墓苑になっていたりしているところも少なくありません。

私の友人に「あらい」という名前の人がいるのですが、彼の家はいつも笑いの絶えない家庭。なのでお墓を建てるとき、墓石に○○家と刻むところを、自身の苗字にひっかけて「笑い」と刻んだそうです。しかも笑という文字を、まるで人が笑っている絵のようにカタチを崩して彫刻しました。私は「あーなんて彼の家らしい、シンボリックなお墓なんだろう」と思いました。友人はお父さんに「(笑)にしよう」と言ったそうですが、さすがに「かっこ笑い」は却下されたそうです(笑)

また別の友人の家のお墓は、その家に縁のある故郷の有名な山(高千穂)をお墓に刻みました。お墓参りをすると眠っているお父さんのみならず、その家のルーツをその都度思い出すことができるようになっています。

またある人は故人の好きだった色の石材を使用してデザインしたお墓にしたり、故人の職業にあわせたデザインの墓石にする人もいますし、故人の趣味である音楽の楽譜や、囲碁の白黒の石の刻まれた盤面、家族に向けてのメッセージや、家族だけでなくお参りに来た人に語りかける言葉を刻んでいる方もいます。

前述しました我が家のお墓の場合、たくさんいる従兄弟たちから「お墓に家紋が彫ってあるから、家紋を自然と覚えたよね!」と言われました。いまその墓石に刻んである家紋を、生まれて間もない従兄弟の子供たちも眺めていることと思いますので、自然と覚えていくのではないでしょうか。

 

現代のお墓には、どんなシンボルにするのか、無限の可能性があるともいえるのです。

沢山ある可能性の中から、さまざまな選択肢の中から、自分たちの家族らしい、自分らしい、故人らしいシンボルを定めることができるのです。幸いなことに、墓石は数百年と残すことのできる媒体です。もちろん世代が変わって「シンボル」としての意味合いが薄れていく可能性はありますが、後々の血縁者が「あー、ご先祖様はこんなことを考えていたんだな」ということを伝えることは十分に可能ですし、お参りのたびに語りかけることもできる「タイムカプセルや、タイムマシンにもなりえる施設」ともいえると思うのです。

 

お墓を建てると幸せになります!家族や自分、故人のシンボルとして、家族のつながりやメッセージを伝え残すことができるからです。

 

と、考えますがみなさんはいかがでしょうか?

・・・「戸籍」も地味ながらシンボルともいえるなぁ、と最後に思い出してしまいました。

 

・お墓を建てると幸せになる? その2 心のもやもやを整理整頓できます。

お墓を建てると幸せになる? その2 心のもやもやを整理整頓できます。

前回「・お墓を建てると幸せになる? その1 気持ちの安心が得られます。」に続いての第二回です。

 

お墓参りをする人としない人がいます。

お墓参りができない人にも理由があり、距離が遠い、お墓に眠っている人は「会ったことのない知らない人」と感じていたり、そもそもお墓の場所がわからなかったり・・・。昨今、お墓離れという言葉もありますが、お盆やお彼岸にお墓参りをするということを「慣例化」された儀式のようなものと感じてしまった場合、「お墓参りとは必要なの?」や「お墓は必要ないのでは?」と考えが進んでしまうことが理由なのではないでしょうか?

 

では、お墓参りをする人はどのような理由でお墓参りをしているのでしょうか。

この記事を読まれている方は老若男女問わず様々な方がいらっしゃると思いますが、ある程度の年齢になると「身近な人を亡くす」という経験をされていると思います。また逆に若い方や青少年の方の中には、「まだ身近な人を亡くした経験はない」という方もいらっしゃるでしょう。そんな未経験の方は是非想像してみてください。身近な人がある日急に亡くなってしまう日のことを。もしくは大切にしていたペットを亡くしてしまう「ペットロス」の人々のことを。人間は一人では生きていません。自分を生み育ててくれた両親や、共に生活した家族や親類縁者、大切な同僚や友人や先輩後輩、そして自分が育てた子やそれに連なる孫、実にさまざまな人と関係を持って今を生きています。

 

そんなかけがえのない人を亡くすと、気持ちの整理に時間を要します。

大切な両親、若くしてなくしてしまった我が子、これらの近親者が亡くなられた場合などは、一生かかって気持ちを整理していくという人もいるかと思います。また、小説や映画やドキュメンタリーで目にすることもありますが、戦地で失った戦友を思い70年経っても「申し訳ない」と涙されている方々もいらっしゃいます。人は長い時間をかけて、折に触れ、事があるにつれて、そんな大切な故人に心の中で語りかけます。心の中で手を合わせる人もいるでしょうし、お仏壇があればお仏壇で手を合わせて話しかけるかもしれません。写真が残っていればその写真をみながら。千の風になってではありませんが、空や風に語りかける人もいるかもしれませんね。海の人や山の人もいるかもしれません。

 

しかし、故人と一番近く語り合うことのできる場はやっぱりお墓なのではないでしょうか。

なぜなら、お墓参りをされる方の多くの方は、お墓参りで手を合わせる際に故人に話しかけていることが多いからです。

 

ところで、皆さんは「魂」の存在はあると思いますか?

あると考えている方は、亡き人の魂はどこにあるとお考えでしょうか。お仏壇の中の位牌にあるのか、お墓の中の遺骨か、はたまた千の風のように天空にあるのか。古来の日本では、亡くなった人の魂、霊は母なる山に向かったり、母なる海の向こうに向かい、一定期間が経ちますと先に亡くなられてご先祖様たちの例の集合体に合流する、というように考えていたとも言われています。祖霊信仰といい、さらに進んで氏神信仰というものになりますが、各集落や里、村にあります「氏神神社」はそんな氏神様をまつった神社なわけです。

現代のお墓の構造としては、石材でできたお墓の中に納骨室(カロート)があり、そこで亡き人の遺骨は一定年数保管されます。このカロートの下面には「土」になっている部分があり、一定年数を過ぎた遺骨や、カロート内の遺骨がたくさんになったような場合には、その土の部分に遺骨を撒き「土に還ってもらう」構造になっています。お墓とは、土に還ってもらう装置でもあるのです。※現代日本でも、諸事情により1%ほどの地域では土葬されている地域もあります。

そして、お墓、石塔ともいいますが、この「塔」とはそもそもがお釈迦様の遺骨を納めた施設のことを指します。塔=タワー、という意味合いで定着したのはごく最近のこととお考えください。インドで発生した「塔」というものは、その後三重塔や五重塔に発展したり、石塔(供養塔としての個々人のお墓)に発展してきました。(そして塔婆は石塔のカタチをかたどっています)いまやお釈迦さまの遺骨は世界中の仏舎利塔に分かれて納められています。そして各地の塔で各地の人々によって供養されているわけです。(五重塔について、竹林寺にある五重塔について説明をこちらの記事で書いておりますので、よろしければご参照ください

日本では、土着の信仰や氏神信仰、中国から伝わったお釈迦様の仏教や、道教、近世になってからのキリスト教や明治になってからの国家神道など、さまざまな考え方が影響し合って現在の「お墓の文化」になっています。

もし亡き人の魂や霊が「遺骨」にあるのでしたら、亡き人に一番近い場所で語り合うことができるのはお墓なのかもしれません。土に還っているご先祖様がいらっしゃるなら、墓地自体が語り合える場ともいえると思います。また現代の日本の仏教では、お墓の引っ越しや新しく建墓する場合、解体の前には「魂抜き」を、完成後には「魂入れ」の法要をいたします。これは石塔自体に先祖代々の魂に宿ってもらうという作業になります。そう考えますと、遺骨のみならず石塔にも魂はいらっしゃることになります。

話を元に戻してみますと、お墓参りをされる方々は「お墓で故人と対話をしている」のですが、どんな対話をしているのでしょうか。人それぞれだとは思いますが、「お墓参りをしたら気持ちがすっきりした」という方はとても多いと思います。きっと亡き人やご先祖様になにか報告し、悩みを打ち明け、気持ちの整理ができたからなのだと思います。報告ならば、進学や就職や結婚や出産や出世など、悩み事ならば亡き人に語りかけることで自身の忘れていたことを思い出したり、語りかけること自体で気持ちの整理整頓になるということなのかもしれません。

氏神信仰の氏神さまは、子孫である今を生きる人たちに、作物の豊作や、大猟、大漁をもたらしてくれる神様でもあります。ご先祖様は子孫であるわたしたちを温かく見守ってくれている存在です。たとえあったことのない遠いご先祖様であっても、子孫を温かく見守る気持ちはかわらないのではないでしょうか。

お墓参りをあまりされたことのない方は「お墓参りで手を合わせて何を考えればいいの?」という質問などもあるかもしれませんが、是非ご先祖様に「ありがとう」と心で語りかけてみてはいかがでしょう。

 

全優石の吉田会長のお話で次のような記事が全優石のブログにあります

こんな話を聞きました。刑務所の受刑者に心のケアをされているお坊さんが、受刑者に「お墓参り」についてアンケートを採ったところ、受刑者の98%がお墓参りをしたことがないと回答したそうです。 お墓参りをする、しないが犯罪に直接つながるかどうかは分かりませんが、私は大いに関係があると思います。(後略)

もし受刑者の方がお墓参りをしていたら、気持ちの整理に一役買って刑を受けることにはならなかった・・・という人もいたのかもしれません。全優石吉田会長はブログにて「お墓参りに勝る情操教育はない」とおっしゃられています。よろしければこちらもご参照ください→ 全優石ブログ 2013/07/05  お墓博士の一言 お墓参りに勝る情操教育はない

 

まだ自分のお墓を作っていない。お墓を近くに引っ越しさせたいがまだ手を付けられていない。そもそもお墓の必要性がわからない。という方は、そんな「故人と対話して心のもやもやを整理整頓する場」を作ってみてはいかがでしょう?自分自身のためにもなるかもしれませんし、またご家族のためにもなるかもしれません。

 

お墓を建てると幸せになります。心のもやもやを整理整頓できる場、装置が「お墓」でもあるからです。

 

さて、また近々わたしブログ担当のTもお墓参りをしてこようかな、と考えていますが、みなさんはいかがでしょうか?

 

 

・お墓を建てると幸せになる? その1 気持ちの安心が得られます。

お墓を建てると幸せになる? その1 気持ちの安心が得られます。

新しく「お墓を建てると幸せになる?」というシリーズを本日より始めてみたいと思います。どのように幸せになるのか、様々な角度から不定期にて継続して記事にしていこうと考えています。新シリーズスタートの切っ掛けは、昨日6/17火曜日および本日6/18水曜日に受講してきました全優石の「実践マーケティング塾」にて、わたくし弊社大塚のブログ担当Tが「やってみよう」と決意表明した時点からのスタートになります。本当はブログ記事だけでなく、もっといろいろな施策を取り組もうとも考えているのですが、その中でもすぐに実施できるものとして本シリーズのスタートを決意表明してきました。他の施策についても、完成次第随時記事にしていってみようと思います。とりあえず本シリーズはできるかぎり継続していこうと考えておりますのでよろしくお願いいたします。(二日間のセミナーに参加されました方がここにたどり着かれましたら、温かい目で見守ってください(^_^;))

 

その1 「気持ちの安心が得られます」

お墓を建てることで幸せになるポイントの中で、第一に挙げられるのが「気持ちの安心」だと思います。さまざまな家族構成の方、さまざまな人生のシーン、さまざまな経済状況など、これからお墓を建てようと考えている方の環境は千差万別です。そもそも「お墓は必要か?」「お墓はなくてもいい」ともお考えの方もいるかもしれません。

一番比率として多いのは、今は切羽詰まって必要に迫られてはいないけれど、いつかは決めなくてはならない事、として長年棚上げにしているご家庭が多いのではないでしょうか。いつかは決断しなくてはならないけれども、出費のかかることでもあるし、急ぐ必要もない。

でもこれって実は「夏休みの宿題」に似ていませんか?

 

私ブログ担当Tは、何を隠そう夏休みの宿題は8/31にまとめて徹夜をしてやっつけたクチです(^_^;)おなじく最終日にやっつけるタイプの友人と協力してかたずけたりもしました。

夏休み最終日に宿題を「やっつけ」るという「作業」は、もちろん満足のいく成果品は期待できません。目的が「終わらせること」であって、算数なら多少の間違いや、絵日記なら絵と文章のクオリティ、自由研究ならその深さと模造紙の枚数、これら「質」は問いませんので、あまり実のない成果となってしまい、二学期に入って同級生と並べて掲示されたりした場合には、やっぱり恥ずかしいものがありました。

あー、もっと時間をかけて満足のいく内容にしておけばよかった・・・と。

お墓を考える際にも同じことが言えると思うのです。

お墓を考える際の、8/31に相当するのが「急きょお墓が必要になる」という場合かと思います。人生は長いようで、いつ「急にお墓が必要になる」のかはわかりません。ひょっとしたら何十年も先かもしれませんし、ひょっとしたら明日かもしれない。長い期間の闘病生活やご高齢という場合ならば「そろそろ考えておかないとね~」という考えも浮かび、家族で相談をはじめたりする場合もあると思います。しかし、いわゆる「ぽっくり」というケースや、脳梗塞、脳溢血、心筋梗塞、はたまた交通事故などの急な不幸は突然やってきます。

8/31は急にやってくるのです。

短期間でのお墓づくりは、夏休みの宿題の8/31と同様に「やっつけ」の「作業」になってしまう可能性が大なのです。何せ「終わらせること」が目的の「作業」も同じことになりますので。でもお墓って深く考えずに「とりあえず」建てた、で終わらせてよいものなのでしょうか?本当はじっくり考えてつくりたいですよね。

 

夏休みの宿題を満足のいくカタチで完成させる最大のポイントは何でしょうか?→スケジュール管理ではないでしょうか?

夏休み初旬にほとんどの宿題を完成させるという非常に優秀な方もいますね。また、一気にかたずけずに、予定を立てて分散させて毎日少しずつ進めていくという方もいるかと思います。どちらのケースも最終日一日にすべてを詰め込むのと比べると、余裕をもって自分に納得のいくものを検討することができ、あるいは終わった部分について「ここはやっぱりこう変えよう」と推敲する時間もありますので、より完成度の高いものに仕上げることができるかと思います。

お墓づくりも一緒。満足のいくカタチで完成させる最大のポイント→スケジュール管理ではないでしょうか?

あ、でもお墓の場合は一度完成したものを変更するのは大変ですが。

 

お墓づくりは、本来ならばできるだけじっくり考えたいもの。そもそもお墓は必要なのか?自分はいらないと思っても後世の子孫はどうか?墓地の場所はどこにしよう。お寺がいいか、霊園がいいか。墓地の広さはどのくらいがいいか。どんな石材を使ってどんなカタチ・デザインの墓石にしよう。彫刻はどんなものがいいのか。そもそも予算はどのくらいかけようか・・・検討項目はたくさんあります。急にお墓が必要になる場合は、これらを短時日で決めなくてはならず、急いで決めたがためにあとから「あっちの墓地のほうがよかった」「お金がかかっても、もっといいものにすればよかった」「亡き人の好きなデザインにしてあげたかった」という後悔先に立たずの話もよく耳にします。逆に、じっくり考えたお墓が完成すると、本当に「安心」した気持ちになるお客様はたくさんいらっしゃいます。

少年時代の夏休み、友人たちと遊ぶ際、宿題をはやく終わらせた人と、まだまだやっていない人、精神状態にも影響は出ているかと思います。遊びの楽しみ方も前者は思いっきり遊べるのに対して、後者は喉の奥にひっかかった魚の骨を気にしながら遊んでいるのではないでしょうか?できるだけ宿題のことは考えないように・・・

お墓を完成させると、その後の人生の楽しみ方がガラリと変わる、という方もきっと少なくないと思います。お墓づくりは「いつか考えないとならないもの」。宿願とも言えますし、念願ともいえると思います。いつかの日のために、ゆっくりと時間をかけて人生の宿題を進めておき、「わが人生に一片の悔いなし」の心境にできるだけ早く達することができれば、残りの人生は、思いっきり楽しむことのできるまさに「幸せな時間」を生きることとなるのではないでしょうか。

早くお墓が完成することで得られる安心は、なにもスピードの問題だけではありません。夫婦で、親子で、親類でお墓をとおして「家族」についてじっくり話をする時間が持てた。本音で家族について話すことができた。先々の考えを子供に聞かせることができた。お墓の費用の問題についても子供たちに心配をさせないで済みそうだ。・・・などなど枚挙にいとまがありません。

 

お墓を建てると幸せになります。念願、宿願であったものが終わり、心の安心を得ることができるからです。

 

と、わたくしブログ担当Tは考えますがいかがでしょうか?

 

 

 

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