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お墓の話 其の三

清々しいまでに冷え切った冬の朝、凍ってはいないかと思いながら蛇口を捻ってみる。勢いよく飛び出る水しぶきにホッとしながら、幾分古くなった木製の手 桶に水を満たす。この手桶はもう二十年以上使っているだろうか、今ではプラスチック製の物が主流で、あまり見られなくなってはいるが、我家では大切に使い 続けている。木製の為、常に水を満たしていないと木が乾燥して繋ぎ目が開いて水が溜まらなくなってしまうという、大変手間のかかる代物ではあるが、手桶の ためにもちょくちょくお墓参りに来なくてはいけないという煩わしさが逆に良く思えて愛着が湧いてくる。
「おはようございます。」
  初老の女性に声を掛けられ、
「おはようございます。ご苦労様です。」
  と頭を下げ、にこやかに返事をすると、その女性もとてもにこやかに頭を下げて通り過ぎていった。今朝の気候と同じような清々しい晴れやかな気持ちにな り、やはりお墓というところは何か特別のものがあるなと感じながら、ヒシャクで石塔に水をかけ、花筒を満たし、花と線香を供えた。

  当社は墓石を中心に扱う石材店です。当然仕事の殆どをお寺さまにて過ごさせて頂き、お墓参りの方々に挨拶をさせて頂くことが多いのですが、大変気持ちよく 返事のご挨拶を頂きます。その様な「お墓」を仕事の場として与えて頂いて、私としては大変ありがたい事と思っているのですが、中にはお墓の商売って何だか 怖くないですかとか、縁起の悪い商売だ、と言われる事がありますが、私としては全く逆に捉えています。
  そこで、今回は当社の社長が(株)大塚の企業としての有り方と申しますか、墓石屋の社会的な意義についてよく話す事を書きたいと思います。

「冠婚葬祭」という言葉をよく耳にしますが、「冠婚」が縁起が良くて「葬祭」は縁起が悪い事と思われているようです。切り放して考えますとその様に感じられますが、本来は一つのながれとして捕らえます。
「冠」は“かんむり”を取るということで、親兄弟や先輩などに世話になり一人前にさせていただく事で、世間に借りを作る事です。
「婚」はそのまま結婚を意味しますが、「冠」の次に来るのは一人前になってから、結婚をするという事だと言います。
「葬」も字の通り葬式で、一人前になり、結婚をしてから親の葬式を挙げるのが本当の順番であるとの事です。
  そして最後に「祭」の祭事などの“政(まつりごと)”ですが、これは周りの人に世話になり一人前になった事に恩返しをする事、世間に借りを返す事、地域 や様々な団体などの奉仕活動をする事、親や先祖の法事をする事と言います。そこで我社の仕事はその「祭」の部分に当り、先祖に生きていることを感謝し、墓 地を守り法事を行うことが“政”になるので、とても縁起の良い仕事をさせてもらっているのだと言います。
  この話は当社の大塚社長がよく話しているので遍照院のお檀家様の中には聞いたことがある方もいらっしゃるかも知れませんね。(あくまでも当社の社長の捉え方なので違った意見があるかもしれませんが。)
  我社では社長が新入社員に対して初めにこの話をして、この仕事の意義を理解することを大切にしています。

合掌

2001年12月

特集:正しいお墓のクリーニング

日本石材産業協会/全優石(認定 全国有料石材店)/全優石(埼玉支部)

  • お墓相談員
  • お墓ディレクター
    (1,2級)認定