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日本墓紀行「想」

第二回 土方歳三

戒 名

歳進院殿誠山義豊大居士

没年齢

35歳

所在地

愛宕山地蔵院石田寺
東京都日野市石田145

最寄駅

多摩モノレール「万願寺」徒歩約10分

土方歳三辞世の碑

たとい身は蝦夷の島根に朽るとも
魂は東の君やまもらん


 新撰組副長、土方歳三。この名前に人は何を思い浮かべるだろうか。荒々しさ、どこまでも続くまっすぐな意志、洒落た姿、京に会津に函館に立ち現れる土方、等々。この濃厚なまでに宿るイメージが人を惹きつけて止まない。

 さて、今回はこの土方歳三の墓のある石田寺を訪ねてみることにした。最寄りの駅は多摩都市モノレールの「万願寺」駅であるが、その前に土方家の菩提寺でもある高幡不動尊に立ち寄ってみることにした。仁王門をくぐり、弁天池の畔に土方歳三の銅像が立っている。本堂裏、大日堂には歳三の位牌とともに「歳進院殿誠山義豊大居士」の戒名が記された過去帳が残されている。

 不動尊を後に、石田寺まで歩いて向かう。京王線のガードをくぐり、入り組んだ住宅街の中を歩く。知り合いの家を訪ねにいくような錯覚にとらわれる。やがて開け、浅川のほとりに出る。多摩の景色が広がる。モノレールを仰ぎ見て、橋を渡り再び住宅地の中へ。果たして本当にこの地に土方の墓はあるのだろうかと思う頃に「石田寺」は現れる。 小さな頃、遊び場だったような懐かしい感じの寺だ。入り口に新選組土方歳三の子孫土方康氏が明治百年を記念して建立した「土方歳三義豊之碑」と碑文のある立派な記念碑が立っている。境内に入ると樹齢400年と言われる榧の木が土方歳三の顕彰碑を見守るようにそびえている。

 多くの土方姓の墓に囲まれ、その墓はある。墓石にはモダンに着こなした土方の写真が組み込まれている。誰ともなく訪ねる人が供える花は絶えないようだ。この墓には遺骨はなく詣るための墓である。土方は函館で戦死しており、函館の地にも墓はある。生まれ育った地と最後の時を迎えた地に土方は眠っている。生前、苛烈に生きた人は不思議と静かに眠っている。荒削りながらも自分を信じ各地で戦い、明日を求めて散ったその道のりが嘘のように静かだ。

 幼い頃から暴れん坊。ただの暴れん坊でなかったのは日本を動かし時代を開こうとしたことか。それはあまりにも短い人生、あまりにも詰まった人生であった。多くを伴にした近藤勇とは奇しくも同じ享年35歳であった。


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