2015年2月13日金曜日 晴れのち曇り
こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県のみならず東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご案内し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。
さて、「お墓」という言葉についてや文字についてちょっと調べてみようと思います。今回はまず一回目ということで、文字について。
墓という文字は、「土」と「莫」という文字によって成り立っています。土が意味を表し、「莫(ぼ)」が音を表している「形成文字」です。
「莫」という字は、草の下側に太陽が隠れるというカタチの文字で、「見えない」「暗い」という意味があり、「暮」という字と近い意味をもっています。漢文や漢詩に登場する「莫」の文字について、日本の人々は「なし」(無し)という読み方をし、「莫(な)し」「莫(な)かれ」というように使われています。
「土」と「莫」からなる「墓」という字には、「中が暗くて見えない」の意味があります。また別の説によると、「親を思慕する」の「慕」という字や、「規模」の「模」という字と関係づけて語源を考えているというものもあるようです。
似た機能をもつ文字に「塚」と「墳」と「陵」というものもあります。ちょっと違いをしとらべてみました。
「塚」は、「土」と「冢(ちょう)」とから成っており、「土」が意味を、「冢(ちょう)」が音をあらわしています。この「冢(ちょう)」の文字にはもともと「高く土を盛った墓」という意味があります。そこから派生して塚の字には、ただの盛り土という意味や、丘、山の頂上という意味にもつかわれます。土にまつわる文字なので土へんが付いていますが、塚の字は「冢(ちょう)」の字の俗字のようです。※なお、「冢(ちょう)」を調べてみましたところ、「大きく高いはか」「もりつち」「大きい」という意味が出てきました。
「墳」は、「土」がカタチを、「賁(ふん)」が音をあらわしています。「賁」には、膨れ上がるという意味があります。そのため「墳」は「土が盛り上がって、饅頭型になったはか」をいいます。
「陵」は、「阝」がカタチを、「夌(りょう)」が音をあらわしています。へんの「阝」は土の山を意味していて、つくりの「夌」は「高く角ばっている」という意味があります。なので、「陵」は「大きく角ばっているはか」のことを言います。天子や皇后のおはかを意味する文字でもあり、発展して「厳しい」という意味や、「角をとがらせる」、「とぐ、磨く」、「刃物に焼きを入れる」という意味も生まれました。“角”がポイントとなっている文字ということですね。
※以上、小学館新選漢和辞典第五版を参考にさせていただきました。
まとめてみますと
「墓」・・・土の中に埋めたはか。
「塚」・・・高く盛り土をしたはか。または高い盛り土。
「墳」・・・丸く盛り上がったはか。
「陵」・・・角ばっているはか。天子や皇后のはか。
というようになります。文字の語源の意味を図にしてみると下記のようになります。
しかしこれはあくまで漢字の成立の視点からみた形状の違いになりますので、長い時間を経て使用されてきた現在では意味が推移し変異し、上記のとおりではなくなってきていると思われます。有名なところでは箸墓古墳や高松塚古墳という固有名詞、墳墓、陵墓という熟語など、ずいぶん昔からすでに言葉の意味が移り変わって来ていたのではないでしょうか。
現在私たちが日常で目にしている「はか」では、日本では墓石を使用する場合が多かったり、そもそも土に埋めたり盛り上げたりすることも現在はあまりなくなってきているなど・・・。
お墓の文化について、また調べてみたいと思います。②につづく