2015年3月3日 火曜日 曇り
こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、霊園と墓地をご案内し墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓づくりのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。
さて今日は三月三日の雛祭りの日、桃の節句です。
街中にひなまつりの装飾がなされ、スーパー、コンビニや菓子店などではひなまつりのお菓子が明るくかわいらしく並んでいます。バレンタインデーを過ぎたあたりから、ピンクや黄緑といった雛祭りならではのパステルカラーが見られたと思います。
さてそんな桃の節句。肝心の桃は見ごろなのでしょうか?→ウィキペディアによると「3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつける。」とあります。わたしもまだ今年桃の花を見ていません。
桃の花が咲いていない時期なのに「桃の節句」とはこれいかに?
その答えは「旧暦と新暦」、太陰暦から太陽暦にコヨミが変わったことが原因です。日本では江戸時代まで中国でうまれ日本流にアレンジされた暦(太陰太陽暦)が使われていました。ところが明治維新となり、明治政府が外国とやりとりをする際に欧米と暦が違うと何かと不都合なので、欧米でつかわれている太陽暦(グレゴリオ暦)に変えるという大仕事がなされました。以来、日本では太陽暦が使われ続けています。
変わったことで何が起こったのか。→旧暦と新暦では約一か月ほどの「ずれ」があります。この「ずれ」のわかりやすいものを列記してみます。
・「新春」なのに、さらに寒さが厳しくなる季節に突入するお正月。(昔のお正月は今の二月初旬なので、春のはじまりと言えました)
・「節分」なのに、春の訪れを感じられない寒さまっただ中の外気温。(昔の節分は今の三月初旬。まさに丁度今日くらいの時期でした。真冬ではないですね)
・「桃の節句」なのに桃が咲いておらず、梅が咲いている雛祭り。(昔の桃の節句は今の四月上旬。桃だけでなく桜の季節でもありますね)
・「端午の節句」の重要アイテム“菖蒲”が咲いておらず、梅雨入りもしていない子供の日。(昔の端午の節句は六月初旬。鯉のぼりは梅雨空にはためくのが常識でした)
・「七夕」は梅雨空のために滅多に彦星と織姫は出会えない。(昔の七夕は、梅雨明けの夜空で現在よりももっとたくさん会えていました)※七夕まつりなどは7月にやるところや8月にやるところなど両方ありますね。
・「お盆」に「秋の気配」を感じられない。(7月盆と8月盆がありますが、新暦の7月盆の季節感では「秋の気配」どころか「これから真夏になる」という季節感ですね)
・「九月九日重陽の節句」に菊が咲いていない。(九月は菊月。昔の9月9日は今の10月上旬くらいですので、菊が咲き始める季節でした)
・「七五三」は11月15日。陽気がいいと千歳飴が溶けることもある。(昔の七五三は今の12月中旬くらいですので、千歳飴はカッチカチのままで溶けることもありませんでした)
などなどあります。こういった昔ながらの年中行事は本来気温や植物の生長、体感できる季節の移り変わりと合致していたものですが、暦がかわって季節感がズレてしまいました。ズレてしまうと、「なんで桃の節句なのに桃は咲いていないの?」というもやっとした疑問がたくさんでてきちゃいますね。
季節感というと、年中行事とも結びつきのある日本文化の一つとして「供養文化」「墓文化」もあると思います。春と秋のお彼岸や夏のお盆、また各地の墓地や霊園には四季折々の植物がみられるところも多く、桜や梅、彼岸花や菊など、お墓と季節感というのも切っても取れないつながりがあります。弊社は石材店ですので、墓文化とともに年中行事の季節感ということもとても大切にしていきたい「日本の文化」でもあります。
というわけで、「桃の節句に咲く梅」という「字面から見るとなんとも不思議な状況」である「季節感のずれ」が見られる写真をお楽しみください。(2/28に越谷の梅林公園で撮影しました)
赤い紅梅・白梅・桃色の梅と色とりどりです。花が咲いている木にスポットをあてて撮影しましたが、咲いていない木などはこんな感じです↓
咲いている木は見事なのですが、全体的にはまだまだこれからといったところかと思います。
つぼみはパンパン。ちょっと遠くから広く眺めてみるとこんな感じ↓
まだまだ咲いている木は少ししかありません。
3月7日~8日が梅まつりだそうです。各地の他の梅まつり会場も準備が進んでいるんでしょうね~。そしてもうすぐ見頃の梅を楽しみに待ちましょう。