年中無休 [営業時間:午前9時から午後5時]
facebook
menu
MENU

霊園とお墓のはなし

  • 永代供養墓特集
  • 新しいお墓の形 納骨堂
  • ペットのお墓
  • お墓ができるまで
  • 正しいお墓のクリーニング
  • 一般社団法人 全国優良石材店 全優石 石材店の一流ブランドです
  • 日本石材産業協会
  • 全国石製品協同組合

・節分に考える 鬼と墓

2016年2月3日 水曜日 晴れ

こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県だけでなく東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご紹介・ご案内し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓づくりのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。

さて今日は2月3日の節分の日です。節分というと近年全国的な習慣として定着してきました恵方巻きや、豆まき、そして柊(ひいらぎ)に鰯の頭を刺して門などに掛ける(こちらは都市化などのおかげか、あまり私の周りでは見かけなくなってきましたが)など、春を迎えるための大切な行事の一日と思います。

さて弊社は墓石を販売している会社。節分とお墓ということで、ひとつ思い出したことがあります。

今日は「鬼」について考えてみます。

さてこの「鬼」、日本では「オニ」と読みますが調べてみると「オン」(隠)や「オンニン」(隠人)といった言葉から発展したのではないか、という説があります。イメージとしては、人里離れた場所にいる普通の人ではない存在、山奥にいる人でない存在・・・のような感じでしょうか。昔の日本では、疾病や災い、人知の及ばないそういったあまり嬉しくないことは、山奥などに住む人ではない存在によってもたらされる・・・そんな考え方があったのかもしれません。

鬼門という言葉があります。東北の方角なのですが、よく鬼門除けや鬼門封じなどの陰陽や風水の考え方に登場する言葉ですね。この東北方向を昔の言い方であらわすと「艮(うしとら)」や「丑寅(うしとら)」の方角になります。一般的に日本でイメージする鬼の姿は、角があって虎のパンツ(腰巻き?)をはいています。角は牛から、パンツは虎に由来するツールのようです。ついでに言えば、口にある牙も虎の牙だそうです。

また鬼という字を使う言葉に「鬼籍」というものがあります。「鬼籍に入る」イコール「亡くなる・死ぬ」ということを表しますが、実は「鬼」という文字は本来は亡くなった人の霊魂を表す言葉、文字だったのです。というよりも、文字の生まれた中国ではいまだに同じ意味で使われています。

さてではこの鬼という字のカタチに注目してみたいと思います。以下、三つの鬼の字の画像を並べます。いずれも古代中国の文字なのですが、上から下にいくにしたがって時代が古くなっていきます。

 

小篆文字(しょうてんもじ)

・・・秦の始皇帝が中国全土でばらばらだった文字を統一させて定めた篆書体が小篆文字。元々は金文文字から生まれており、秦帝国の公式文字とさだめられた。(予断だが、秦帝国の後に成立した漢帝国は隷書体を正式文字として採用した。)

 

金文文字(きんぶんもじ)

・・・甲骨文字(こうこつもじ)がつかわれていた後の時代になり、青銅器が発明され、青銅器に刻まれた文字が金文文字。中国の殷(商)・周時代~秦・漢時代まで。日本の古墳時代に見られる中国由来の銅鏡に刻まれている文字が金文文字にあたる。

 

甲骨文字(こうこつもじ)

・・・中国の殷(商)の時代に亀の甲羅や動物の骨に文字を刻んで火にあてることで入るヒビや割れによって国の行事などの吉兆を占った。その際に使われた象形文字を甲骨文字とよんでいる。

 

※以上、三点の画像はwikipediaより引用させてもらいました。

 

一番新しい小篆文字は、現在の鬼の字に近いですね。逆に、象形文字の甲骨文字では現在の字とはちょっと違っています。象形文字とは、もののカタチをイラスト化した文字ということです。ではこの甲骨文字の鬼の字はどういったものをかたどっているのでしょうか。

一説には、お面をかぶった祈祷師(シャーマン)が腰を折ってひざまずいているカタチとも言われています。またある一説では、「亡くなった死者を甕(かめ)に入れて土中に埋めているカタチ」という説があります。腰や膝を曲げているようなカタチに見えると思いますが、これは狭い甕(かめ)に入れるために体を屈ませているということで、さらには体の中央に△型になっている部分がありますが、これは字によっては〇のカタチであったりなどするのですが、これは「石」をあらわしており、亡き人を土中に埋める際に、簡単に甦ってくることのないように胸に重しの石を抱かせて埋めたという風習があったそうで、それをあらわしている。そんな説もあります。

甲骨文字などの古代の文字はいまだに謎だらけです。というのも、実は「これは貴重な文字の原型だ」とはっきりと認識されたのがほんの100年前だからです(1899年に当時の清国によって発見・研究スタート)。出土した文字の刻まれた甲骨や文化財も価値がわからないと燃料として燃やされたり骨董屋に売られたり、叩いたり加工したりして別の物に使われたりなどで消滅してしまった文化財もたくさんあったことでしょう。文字がどのように変遷・推移していったのか、本来の意味はどういった使われ方をしていたのか、まさに暗号を解くような研究はいまだに膨大な課題山積の中で、研究者のみなさんの活躍を期待して待つほかありません。

上記、鬼の字についての本来の意味は、あくまで仮説(いまのところ)いったいどれが正しいのでしょうね。後者だとすると、古代の人びとの、亡き人に対する思いや死者に対する恐れ、葬送方法などを思い浮かべる材料になりますね!

以上、節分に考える 鬼と墓 でした。

 

参考記事

・「お墓」について調べてみる ①漢字の「墓・塚(冢)・墳・陵」の違い

 

  page top