2014年2月22日土曜日 晴れ
世界中を盛り上げ、日本でも熱気に包んでくれたソチオリンピックが間もなく閉幕になります。新しい世代のヒーローとヒロインが誕生し、また熟練のレジェンドがレジェンドの名にふさわしい結果をだして若い世代を盛り上げ、獲得メダル数も長野五輪の際の合計数10個に迫る8個(2014年2月22日19時現在)と大きな成果を上げてくれています。
感動と笑顔と、そして日々の活力になるエネルギーをもたらしてくれた選手の皆さんと関係者の皆さんには大きな感謝と拍手を贈りたいと思います。ありがとう!
個人的に一番印象に残っているのが、浅田真央選手。ショートプログラムでまさかの16位となってしまった翌日の21日フリープログラムにて、8つの3回転ジャンプを成功させ、自己最高得点を出した演技のあとのシーンです。演技終了後の涙をこらえている表情を見ながら、一緒に私も涙がこみ上げてくるのを止められませんでした。
その後のインタビューで「これまでやってきたことを全て出し切れた、支えてくれた方々への恩返しになったと思う。」という内容のコメントを言っていましたが、これがまたとても強い印象を受けました。この8年間ずっと金メダル候補であったわけで、前日に16位になってしまったところを自己最高の出来の演技をしたもののメダルには届かなかった。山あり谷あり、とても一言で言いきれるようなものではないと思います。このインタビューで悔しさや後悔を表明したりはしなかった。
世界中の様々なチャンピオンのコメントと、大相撲の力士のコメントの違いに近いものがあるのかもしれません。力士の皆さんの、勝ったことを誇りにするコメントはせず「精進します」「稽古に励みます」とコメントすることに通じる、控えめで感謝の気持ちを表明する。日本人の美意識に響くコメントではないでしょうか。浅田選手の本当の気持ちははかり知ることはできませんが、コメントの内容はそのまま本心であったと思います。
浅田選手は選手としての引退が取りざたされています。長い間ライバルと言われていた韓国のキムヨナ選手や、羽生結弦選手の憧れであったロシアのプルシェンコ選手も引退を宣言されているとか。みなさん長い間ありがとうございました。
今夜はフィギュアスケートの大会を締めくくるエキシビジョンが行われます。男女それぞれ5位までの入賞選手と推薦選手、地元ロシアの選手によるもので、現地時間22日午後8時半(日本時間23日午前1時半)からです。
日本からは金メダルの羽生結弦選手、5位の町田樹選手、推薦選手として高橋大輔選手と浅田真央選手が出演いたします。
ソチオリンピックももうすぐ終わり。閉店間際のほたるの光を聞くような、もの寂しさを感じてしまいますが、とりあえず今夜はフィギュアスケートのエキシビジョンをみて、のびのびとルールに縛られない世界のスケーターの滑りを堪能しようと思います。