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霊園とお墓のはなし

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・墓にまつわる言葉 小林一茶の俳句

2015年7月18日 土曜日 曇り時々雨

こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県だけでなく東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご案内・ご紹介し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓作りのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。

今日は墓にまつわる言葉、小林一茶の俳句について。

 

小林一茶と言えば、庶民的で情景や豊かな俳句づくりをした俳人ですが、お墓について読んだ句もいろいろとあります。いくつか挙げてみます。

 

墓からも 花桶からも 雲雀哉

(はかからも はなおけからも ひばりかな)

お墓参りで自家の墓にたどり着くと、お墓からそして花桶からひばりが飛び立つ、という情景が目に浮かびますね。

 

梅さくや ごまめちらばふ 猫の墓

(うめさくや ごまめちらばう ねこのはか)

梅の花の頃に、猫の墓に「ごまめ(カタクチイワシの素干し)」を供えている、そんな情景が浮かびます。

 

涼風は あなた任せぞ 墓の松

(すずかぜは あなたまかせぞ はかのまつ)

暑い日の墓参でしょうか。松の木陰の涼風が気持ちよさそうな様子が目に浮かびます。

 

卯の花や 子らが蛙の 墓参

(うのはなや こらがかえるの はかまいり)

子供達がカエルのお墓をつくったのでしょうか。カエルのお墓に参っている子供達、かわいらしいですね。卯の花ですので初夏の頃でしょう。

 

末の子や 御墓参りの 箒持

(すえのこや おはかまいりの ほうきもち)

今でいうと乳幼児くらいの子を詠んだのでしょうか。おさな子ががんばってほうきを持って歩いている様子が目に浮かびます。とてもかわいらしい光景ですね。

 

あまり花 人の墓へも 参りけり

(あまりはな ひとのはかへも まいりけり)

墓参の際の仏花(供花)が余ったのでしょう。よそさまのお墓へもお参りがてらお花のおすそ分けをされたのでしょう。読み方によっては「あまり花」が人の墓に参ったとも読めますが、そう解釈したとしても小林一茶の風を感じることができますね

 

盆参り 人の墓にて 済しけり

(ぼんまいり ひとのはかにて すましけり)

江戸時代の方のなかにも、めんどくさがりな人はいたのでしょうか。自家の墓に行くことができないので、他の方のお墓で盆参りを済ましたということですが、こういったケースはたびたびあったのでしょうか。それともやはりものぐさな人のお話なのでしょうか。

 

古犬が 先に立也 はか参り

(ふるいぬが さきにたつなり はかまいり)

家族そろっての墓参にて、年老いた犬が少々はりきって先に歩いているのでしょうか。それとも「わたしについておいで」と家の物知りとして家族を先導しようとしているのでしょうか。穏やかな家族の墓参が目に浮かびますね。

 

孤や 手を引れつつ 墓灯ろ

(みなしごや てをひかれつつ はかとうろう)

みなしごが手を引かれてお墓参りをしている、そんな句なのですが、ついこの「みなしご」の境遇を想像してしまいます。亡き親の墓参りなのか、どんな心境なのか、手を引く人間がどんな人なのか。心にしみる一句です。

 

新米や あてにして来る 墓雀

(しんまいや あてにしてくる はかすずめ)

雀もやはり新米は美味しく感じるのでしょう。新米時期のお墓は、雀にとってはごちそうがたくさんある場所。小林一茶の江戸時代では、墓参にお米が一般的だったということがわかりますね。

 

いかがでしたでしょうか。実は小林一茶の俳句の中にはまだまだお墓にまつわる句はあるんですが、今回はその中からいくつかに絞って書き出してみました。

朴訥でありながら、どの俳句も心温かくなるような句ばかりです。「ほっこり」させてくれますね。お墓は家族、親族のつながりを思い浮かべさせてくれるだけでなく、亡き人を偲ぶ心温かになる場でもあります。小林一茶の句の中でもそんな心情があらわされているように思います。

また機会をみて、お墓にまつわる言葉について書いてみようと思います。

 

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