2014年5月22日 木曜日 晴れ
今日は、墓地にあるお墓にも刻まれる家紋。その家紋にも使われる花のお話です。
五月も下旬となり、だんだんと梅雨が近づいてきました。近所の雑木林でどなたかが手入れされてらっしゃる葵にも大きな花の咲く季節となりました。
葵には、立葵(タチアオイ)と黄蜀葵(トロロアオイ)と二種類あるのですが、街中や道端でこの季節にきれいな花を見ることが多いのはタチアオイ。タチアオイは赤、ピンク、白色の花が咲き、トロロアオイには黄色い花が咲きます。
またタチアオイは、花が6月頃の梅雨入り前に咲き、8月頃に梅雨明けとともに花の季節が終わることから「梅雨葵」とも呼ばれています。
弊社大塚は墓地、霊園をご案内し墓石を販売している石材店です。お墓を販売する仕事柄、お客様それぞれの家紋に接することが多いのですが、家紋というともっとも知られている家紋に「三つ葉葵」があげられます。三つ葉葵のほかにも葵を取り入れている家紋はたくさんあり、徳川一門でも少しずつ差があったりしています。ではその葉、徳川の葵の葉に比べてみようということで写真を撮ってみました。(家紋の画像はこちら→発光大王堂のサイトより使わせていただきました。 ありがとうございます)
テントウムシがいます。家紋の形でいうと、葵というよりも蔦の形のほうが近いように感じられます。
真上から見て比べてみると・・・
やっぱり葉の形が全く違います(^_^;)
そこで調べてみると、大きな勘違いをしていることに気が付きました。徳川葵でモチーフにされているのは「双葉葵」という植物(ウマノスズクサ科のフタバアオイ)。別の植物なのです!
では双葉葵とはどんな植物なのか?
二葉葵、画像と家紋と、完全に一致しました。ちなみに名前の通り「二葉葵」は二葉で成長していく植物。なので「三つ葉のフタバアオイ」というのは架空のものだそうです。葵紋はもともとは賀茂氏の紋で、賀茂神社の神紋にもなっています。
また、数多くの葵紋の中には、「立ち葵」という家紋もあります。これはご近所に咲いているタチアオイを図案化したものなのかな?比較してみましょう。
やっぱり形がちがうようです。
wikipedia先生によると、どうやら家紋の「立ち葵」は、フタバアオイを図案化した葵紋の発展型の一つのようで、植物のタチアオイとは関係がないようです。ちなみに↑で見てもらいました家紋の立ち葵について、こちらは正しくは「右離れ立ち葵」という紋だそうで、長野善光寺さまが使われている紋だそうです。
今回わかったこと
①タチアオイの花の時期になりました
②タチアオイと、家紋の葵は別の植物だということ
③「立ち葵」という種類の紋は、花のきれいなタチアオイとは関係がなく、善光寺さまの紋だということ
またきれいな花を見つけましたら記事にしてみようと思います。
今回のように、墓石にも刻むことの多い家紋に使われている植物。いろいろと調べてみるのもとても勉強になります。自分の家の家紋は何なのか?植物だとしたらどういった植物なのか?きちんと理解しておけば、墓石など家紋を使用するような際にも迷ったり悩んだりすることも少ないでしょうし、より深い理解のもとお墓作りなどもできるのではないでしょうか?
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参考記事
桔梗紋について ・桔梗の芽が出てきました。しかもいっぱい。