2014年11月2日 月曜日 晴れ
こんにちは。東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬にて、墓地と霊園をご案内し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事をしております石材店の株式会社大塚ブログ「霊園とお墓のはなし」です。
11月を迎え、いよいよ秋も深まってきました。
都市の近郊にあるちょっとした畑の片隅などに植えられている菊の花が道行く人の目を楽しませてくれています。
大切に一輪の花を育てて大きく美しく咲かせるタイプの菊とは違い、こういった野菊に類するであろう菊の花、野菊とはいえ、街角を、景色を、鮮やかに彩ってくれています。
仏花といえば菊の花が昔から多いわけですが、その理由は諸説あるようです。
昔々大昔の平安時代にはまだお盆の風習はなく、お墓参りと言えばお彼岸という考えが多く、秋の彼岸にたくさん咲いていたのが野菊や春菊、ブタクサなど菊の仲間の植物。そこでお墓参りと言えば菊というイメージがついたという説や、
野菊ではなく大輪を咲かせるタイプの菊の花びらの枚数(16枚)から、父母、祖父母、曾祖父母などの血族の数を表しているということで祖霊崇拝に適しているという考え方だったからという説や、
9月9日の重陽の節句の花である菊が不老長寿や魔除け、縁起の良い花であることなどから亡き人に手向ける花として適していたからという説などあります。
従来は、仏花には菊に限らず白色のものが好まれていたようで、さらに強い香りのする花や、トゲのある花、強い赤色の花は仏花に適していないとされてきましたが、
近年はというと、時代が変わったようですね。
様々な種類の花が仏花に選ばれており、色もさまざま、香りのするものもあるし、トゲのあるようなバラなどを手向ける方も少なくないかと思います。もちろん赤色の花もあります。
菊と言うと仏花に選ばれてきたため、どうも縁起の悪いイメージがあったりしますが、本来は縁起のよい花です。
皇室、皇族、宮家など高貴な家の紋としても採用されてきた菊。とっても縁起のよい花なのです。
菊というと「菊と刀」という戦後すぐに発行された、米国の文化人類学者ルース・ベネディクトによる、日本文化を説明した文化人類学の著作があるため、海外からも日本を代表する花、皇室をあらわす花と見られているようですが、
こうして道の片隅に華やかに咲いている様子をみると、日本の花、みんなの花、という印象を受けます。
たくさん咲いている菊の花を見ると、縁起が悪いなどの感想はどこかにいってしまいそうです(^-^)