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霊園とお墓のはなし

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・「お墓」について調べてみる ②お彼岸について考える

2015年3月21日 土曜日 春分の日 晴れ

こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県のみならず東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご案内・ご紹介し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓づくりのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。

今日は春分の日です。そしてお彼岸の中日でもあります。せっかくですので「お彼岸」について今日は考えてみたいと思います。

現在、お彼岸に法要をするというのは日本だけの文化となっているようです。ではそんな日本のお彼岸はいつから始まったのでしょう。

記録によりますと、大同元年(806年)に早良親王(さわらしんのう)のために彼岸会が開かれたというのが一番古い記録のようです。さてこの早良親王という方、とても有名な方なのですが御存知でしょうか。無実の罪に問われ、785年に不遇のうちに配流先で憤死された方で、その後“早良親王の祟り”と呼ばれるものが続きました。皇族に病や死が連続して訪れ、世には疾病が流行し、大洪水も起こりました。すべて早良親王の祟りということで度々鎮魂の法要がおこなわれ、800年には「崇道天皇」という名前を送られ(実際には天皇にはなっていない方です)るなど、なされたという方でした。

そんな方への鎮魂の法要の一つとして「彼岸会」が行われたようです。上記のとおりなので、国家事業としてとても大きな法要が行われたことが想像されますね。なお早良親王は東大寺の開山二代目のトップにもなっていましたので南都仏教にとても縁の深い方です。また国の機関として全国に国分寺がありましたので、きっと東大寺をはじめ南都や都の京都を中心に全国で法要がなされたことでしょう。

さてこの「彼岸」という言葉。彼の岸(かのきし)、向こう岸という文字がつかわれています。これは、この世(ここちら岸)とあの世(あちら岸)の間には川が流れており、こちら岸とあちら岸というように考えられています。春と秋の彼岸の中日である春分の日と秋分の日は、昼と夜の時間が同じになり、また日の出が真東から、日没は真西に沈む日でもあるため「あちら岸とこちら岸が一番近づく日」とされています。あちら岸は「あの世」ですので亡き人たちがおり、今を生きる私たちとコンタクトをとれる日であると考えられてきました。中日をはさんで前後三日を「彼岸」として七日間の間法要などがなされます。

では元々はこの「彼岸」という言葉はどのようにして生まれたのでしょうか。

どうやらこの彼岸という言葉は、インドのサンスクリット語の「パーラム」という言葉が源となっているようです。彼岸という言葉は「至彼岸」や「到彼岸」(彼岸にいたる)という言葉の略語なのですが、サンスクリット語の「パーラミター」(波羅蜜多)を意訳した言葉です。波羅蜜多という文字は般若心経にも見られますね。あちら岸(パーラム・波羅蜜)に到る(イッター・多)ことを「お彼岸」(パーラミター・波羅蜜多)というわけです。

また西方浄土の考え方もあるため、真西に太陽の沈むこの日に日没を拝むという習慣も生まれました。

弊社のご案内している墓地でも、特に霊園など東西に向きが分かれているような墓地では、西向きのお墓にしようか、東向きのお墓にしようか、と悩まれる方もいらっしゃいますが、傾向としては東向きのお墓に人気が集まりやすいです。朝日の昇る方角が東ですので「東」に新鮮な印象もあるからかと思います。しかしながら、西向きのお墓の場合は「西方浄土」を常に向いていることから西向きを選ぶ、という方も少なくありません。宗教的にはどちらがよいのか・・・という質問もありますが、「東西」に列が分かれておらず南向きや北向きのお墓もある寺墓地などを考えていただくとわかりやすのですが、「向きに上下はない」というのが答えのようです。しいて言えば寺墓地の場合はご本尊(本堂)の方を向いている方がよいのでは?ということだそうですが、ご本尊さまやお釈迦さま、如来様、はたまたキリスト教にしろ神道にしろ、あまねく光と手を差し伸べられているでしょうから墓地の向きに「差」はないと言えそうです。ただし、人気に差はあると言えます。

お墓のはなしを少し交えましたが、そんな彼岸の今日。お墓参りに行ったよという方はもとより、お墓参りにいけないという方も、亡き人を偲んで手を合わせてみてはいかがでしょう。あちら岸が一年で一番近い日ですので、言葉が届くかもしれませんね!

※半年前の彼岸の時の記事ですがこちらもご参照ください→「夜船」、「北窓」 (ぼた餅、お萩)

 

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