2016年1月16日 土曜日 晴れ
こんにちは。埼玉県上尾市に本社を置き、埼玉県だけでなく東京、神奈川、千葉、群馬、静岡にて霊園と墓地をご紹介、ご案内し、墓石の製造加工と墓所への据付施工工事という「お墓づくりのお手伝い」をしております石材店の株式会社大塚のブログ「霊園とお墓のはなし」です。
一昨日の記事「・墓石の値段、価格、費用について ①永代使用料、墓地使用料とは」、昨日の記事「・墓石の値段、価格、費用について ②石碑工事代」に続きまして、本日は「③管理料」について書いてみます。
管理料とは、墓地の環境保全などに充てられる費用になり、年に一度の支払いが発生することから「年間管理料」と呼ばれるケースが多いです。もちろん年に一度というだけでなく「二年に一度」という支払いのケースもあったりなど、いくつかのパターンはあるようですが考え方はどちらも同じになります。経営主体の宗教法人によっては管理料という言葉ではなく「護持費」「護持会費」などの言葉になっていたりするところもありますが、内容はほぼ同じと考えてよいでしょう。
さて上記にて「墓地の環境保全など」と書きましたが、時々勘違いされる方もいらっしゃるのですが決して「管理事務所がお墓を綺麗にしておく費用」「管理者が墓地内の雑草とりをする費用」などではありません。お墓をお求めの方は使用規則などをご覧になられると思いますが、おそらくそこへは明記されていると思います。個々のお墓の掃除や草むしりなどの維持管理はお墓の承継者が自分でやる部分になります。では管理費の「墓地の環境保全など」とは何かというと、マンションや共同住宅などの「共益費」に近い考え方になります。寺院墓地や霊園などでの参道や水道、駐車場など、それぞれの墓地所有者が共有して使用する部分を維持管理するための費用と考えてください。お墓参りに来たときに水道が出なかったり、ごみが捨てられなかったり、参道や駐車場が雑草でいっぱいだったり、階段や通路が壊れたり崩れたりしたままだと、非常に困りますよね。そんな共有部分を維持管理するための費用になります。
「管理費払ってるのにどうして雑草くらい抜いてくれないんだ」という言葉を耳にしたことがありますが、それぞれの墓地ごとに定められている使用規則をお読みいただくと明記されているのではと思いますので、墓地をお持ちの方はもう一度ご確認いただくとよいと思います。マンションに住んでいて「共益費払っているのにどうして部屋の掃除をしないんだ」とは言わないのと同じなのです。
一昨日の「永代使用料(墓地使用料)」、昨日の「石碑工事費」は、それぞれ墓地を決めたときと、墓石の工事をしたときに発生します。ごく初期に発生する費用ですね。ところが管理費はその先ずっと継続利用する限り発生していきます。なかなかお墓参りが出来ない、という方は管理事務所や管理者との数少ないやりとりがこの「管理費の支払い」だ、という方もいらっしゃるかと思います。この「数少ないやりとり」というのは墓地管理者にとってはとても貴重なやりとりになっているんです。(お金というだけではなくて)
近年増えてきているのが、管理者サイド(霊園管理事務所やお寺)から見た場合の「お墓の承継者の行方不明」です。貴重なやりとりの「管理費の支払い」がストップすることが時々発生するのですが、墓地の承継者が転居したり、引き落とし銀行口座を変更したりなどの際に管理者に連絡がないと、「あれ?今年は支払いがないぞ?」ということも起こりうることです。そんな際に管理者が電話や書面で連絡が付けばよいのですが、中には連絡がつかない、というケースも出てきます。転居などならばよいのですが、最後の承継者の方が独居のご高齢の方などの場合、そのまま家が途絶えてしまった、という場合も少なからずあります。お寺や古くからある公営霊園などでは「自家の近くの区画が空き区画になった」という状況をご覧になられたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
管理費の支払いがない、ということが発生した場合は、そうした可能性もあると管理者がみなすこともあるんです。
もし無縁墓になったわけではなく、ついうっかりお墓のことを失念していただけの状態が数年続き管理費も数年支払っていないとどうなるか・・・久方ぶりにお墓参りをしてみたところ「あれ、うちのお墓がない!」という事態にもなりかねません。お墓がないととても困ると思いますのでそういった場合は管理事務所に問い合わせると思うのですが、中には「どうして墓がないのだ!」とクレームになる場合もあるでしょう。しかしむしろ逆です。管理者から「どうして管理費を支払ったり、支払えないなら連絡をくれなかったのですか」と言われてしまう側になってしまっていることを理解いただければと思います。
こちらも使用規則に書かれていると思いますが、管理費の支払いが滞った場合、管理者は一定年限待った後区画を更地にし、再募集をかけることができると書かれているかと思います。マンションやアパートでも、住人不明なままの部屋がいくつも出来てしまうと経営者の運営がままならなくなります。墓地も同じで、墓地全体を運営していくためにも所有者がいなくなった区画はいつまでもそのままにしておくわけにはいきません。運営が先細りになってしまうのを避けるためにも致しかたないルールなのでしないでしょうか。
そんな事柄にも直結しているのが、管理費です。とっても大事な費用なのです。
つづく
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・墓石の値段、価格、費用について ②石碑工事代