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エッセイ お墓の話 其の十

其の十
〜石屋としての話〜

 しっとりと降る雨が、近づく冬を感じさせる朝、その山門を潜り石畳の参道を歩く。お寺という日常生活とは少し離れた感のある場所で仕事をさせて頂く事の意義を考えてみる。よく社員に話す事ですが、石屋の仕事は入りやすいが奥が深いと話します。販売に関しては、普通にものを売るように、この石でこの形ですと幾らと、価格表通りに説明をしていけばお客様は予算をみて石と形を決め契約を頂きます。ですので石の種類が分かり形が分かれば一応営業員として販売をすることは出来ます。しかしこのレベルで満足をして勉強する事を止めてしまうと営業としては「浅墓」です。お墓を建てられる方は様々な理由があってお墓を建てることを考えますので、そのお客様の事情や要望すべてに精通して、答える事が出来て初めて石屋の営業として一人前になると思います。今回はお墓を建てる仕事をさせて頂いている私共の、石屋としての話をさせて頂きます。

まず、直接石を扱う事としては、技能士の資格が有ります。これは社団法人全国技能士会の中の全国石材技能士会が取りまとめております。一級、二級と二段階に分かれており、石を加工する技術を身につけます。当社も工場で直接石を加工しておりますので、工場、現場の職人ともこの技能士の資格を取り、技術の向上に努めております。しっかりとした技術の上に成り立つ知識でないと、お客様に満足して頂く事は出来ませんので、先ず第一に作ることの確かさを求めております。

 次に販売としての知識になります。この点に関しましては今までこれといった資格制度がなく、何の基準もありませんでしたので、少しの経験と知識があれば誰でも石屋として商売をすることが出来ました。その様な中、皆様が普段触れることの少ないお墓や仏事の正確な情報を集め判断していく事は大変困難な事であったと思います。そこでこの度、日本石材産業協会が主体になり「お墓ディレクター」制度を創設することになりました。

 この制度の目的として「日本のお墓文化の発展と、生活者に対してお墓に関する正しい知識の普及を業界全体で図ることに有ります。」と、日本石材産業協会会長、井口健二氏は語っております。

 先にお話した通り、墓石をこれから建てようと思われる方は、様々なきっかけがあります。それは葬儀であったり、年忌法要であったり、相続の問題であったり、ご自分の将来の事であったりと多種多様です。その様なお客様の相談にのる事から、お墓の営業が始まります。ですので、お墓ディレクターの試験内容としては、石材やお墓の形状等の知識は基より、仏教や神道・民族的なお墓の歴史や捉え方。墓埋法等お墓に関する法律から、消費者契約法・製造物責任法など製造販売に関する法律。関連業種としての葬儀や仏壇に関する知識など多種多様に渡っております。そしてこの制度の初めての試験が平成十六年二月に行われます。

 しかし、お墓の仕事は知識を付ければそれで十分かと言うとそれだけではないと思います。先日このお墓ディレクターの試験に関する講習会が有り検定用のテキストを監修している小畠宏充氏の話を聞きました。試験の為の講習ですので、どういった問題が出るという講習内容かと思い臨んだのですが、そうでは有りませんでした。講師が一番大切にしてもらいたいのは、この仕事に携わる方々がお墓を好きになって頂くこと。お墓の良さを感じていただくことが一番大切であるとの事でした。技術と知識プラス心を込めて作ると言うことです。私も来年の試験に向けて勉強中ですが、お墓のことをもっと知る事により、よりお墓を好きになりたいと思います。

合掌

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