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立松和平の墓紀行 第一回

第一回 坪井のしだれ桜

立松和平の墓紀行は「しだれ桜の里」として知られる信州・高山村です。

特に幹周囲8メートルの「坪井のしだれ桜」は日本彼岸桜番付で西の小結に選ばれております。その下にあるお墓に「こんな墓の下で眠りたい」と深い感銘を受けて第1回目に取り上げられました。

日本の原風景が広がる自然と秘湯温泉、そして俳人・一茶ゆかりの地をお楽しみください。

交通アクセス

一茶ゆかりの里 高山村

上信越自動車道・須坂長野東IC

電車

長野駅より長野電鉄須坂駅下車

須坂駅より路線バス(山田温泉方面)
で約15分

一茶ゆかりの里 柏原

上信越自動車道信濃町ICより
R18経由3分

電車

JR長野駅より
信越線経由黒姫駅下車徒歩5分

桜の下の墓

こんな墓の下で眠りたいなと思ったことがある。 長野県高山村は山の中で、桜が咲くのも遅い。 そのため花を惜しむ人が集まってくるので、村は大賑 わいである。村の中のあっちこっちにある桜をめざして、 人は寄っては散っていく。桜の巡礼をするのだ。 桜のまわりにはたいてい神仏が祀られている。人間を 超越して美しく気高い存在として、桜も神仏に 寄り添っているのだ。 高山村は俳人小林一茶ゆかりの地だ。一茶は幼くして母と死別し、江戸で苦しい奉公をし、 故郷信州水内( みのち郡)柏原の肉親たちとの不和に苦しんだ。晩年になって得た四人の子と すべて死別し、妻とも死別して苦しい生涯を送った。その一茶は門人の久保田春耕を頼って しばしば高山村を訪れた。高山村で桜を見る心からの慰藉を覚えたに違いない。一茶はここで 桜の句を残している。気分のよい時につくったのが一つは明るくて、心が滅入っている時に つくったのか一つはどうにも暗い。

坪井地区のしだれ桜は、墓地に立っている。樹下の墓碑には寛永の文字が 見え、樹齢は五百年と推定されるが、旧家の過去帳による傍証では 六〇〇年に遡ると郷土史家はいう。杉木立を背景にし、遠くから見れば それほど大きいとは感じられないのだが、そばに寄ると神仙の気配が 漂っていて圧倒される。
この桜はたくさんの土葬の死体を抱いて花を咲かせているのだ。親木は 朽ちて大地となり、そこから枝が出て、またそこからも若い枝が幾つも伸び ている。死んでるものも生きているものも、過去のものも現在のものも未来 のものも、一つ の命としてここに咲いている。

一茶とふるさと

高山村

高山村は、俳人・一茶が頻繁に訪れたところです。
門人の久保田春耕から「離れ家」を提供され、ここを拠点として近隣の門人たちを指導していたようです。一茶館には、一茶の墨蹟、直筆の俳句、一茶の師や門人たちの作品も多数展示されており、俳句を志す方々には必見のところです。また、一茶の生涯を追ったビデオも用意されています。

黒姫(信州柏原)

一茶生誕の地・黒姫( 信州柏原)にも「一茶記念館」があります。小高い公園の中には、俳諧寺や一茶の墓もあります。
農家に生まれ、江戸(東京)への奉公、苦難の生活、そして俳句との出会い、故郷での活躍、結婚、妻と死別、子ども達との死に別れなど、その都度に生まれた俳句のすべてに接するには、両方の記念館に行きたいものです。

周辺の見所

  • 1

    高山村のしだれ桜

    高山村は標高差が大きいので花見の期間が長いようです。
    見ごろは4月下旬で坪井のほかに水中、黒部、赤和観音、中塩などで樹齢数百年の「しだれ桜」を見ることができます。

  • 2

    北斎の天井絵 岩松院

    隣接する小布施には、北斎が晩年に長く 逗留した町で北斎館があります。肉筆画、 版本を中心とした、北斎の画業を見ること ができます。また、北斎が没前年(1848年)の89歳に描いた集大成ともいえる岩松院の本堂大広間の天井を飾る「八方睨み鳳凰図」は有名です。
    富士山が「かくし絵」として描かれていますので、それを探してみるのも一興でしょう。

  • 3

    福島正則 荼毘に付された地

    戦国武将福島正則公は豊臣秀吉の重臣として、広島城(49万 8千石)の大名になりましたが、江戸幕府の謀略により元和5年この信越地方(4万5千石)に国替えさせられました。
    悲運をなげきつつ寛永元年(1624年)7月13日64才で亡くなりました。
    高井野(現高山村堀之内)のこの地で荼毘(火葬)に付されました。

立松和平

1947年 栃木県生まれ
早稲田大学政治経済部卒業
在学中に「自転車」で早稲田文学新人賞を受賞
卒業後、種々の職業を経験、
故郷に戻って宇都宮市役所に勤務
79年 から文学活動に専念
80年 「落雷」で野間文学新人賞を受賞
93年 「卵洗い」で坪田譲治文学賞
97年 「毒_風間・田中正造」で毎日出版文化賞
2002年 歌舞伎座上演「道元の日」の台本を手がけ、大谷竹次郎賞
2007年10月 [道元禅師]で泉鏡花文化賞

各地を旺盛に旅する行動派であり、近年は環境保護問題にも積極的に取り組む。
著書多数。

2010年2月8日 多くに人に惜しまれながらも永眠

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